現時点で、筆者はOmnisphere 3を所有していない。本稿は実使用レビューではなく、すでに多くの音源を所有する鍵盤奏者として、Omnisphere 3を追加する意味があるのかを公式情報から考える導入検討記事である。音質、CPU負荷、ライブでの使用感については、実際に検証するまで断定しない。
ソフト音源は、もう十分すぎるほど持っている。
Native Instruments Komplete 14 Ultimate、IK MultimediaのMAX系バンドル、UVI Synth Anthology 5、HALion Sonic、u-he Diva。そして鍵盤音源では、Spectrasonics Keyscapeを愛用している。
不足している音色を挙げる方が難しい。それでも、Spectrasonics Omnisphere 3が気になっている。
公式ライブラリに掲載されている総サウンド数は41,405。新しいPatch Libraryだけでも26,421 Patchある。数字だけを見れば、すでに音源を持て余している人間が、さらに巨大な音源を追加しようとしているように見えるだろう。
しかし、私が欲しいのは4万を超える音色ではない。
愛用しているKeyscapeを、まだ知らない楽器へ変えてみたい。そして、Eric PersingとSpectrasonicsのSound Development Teamが作る音を、自分の鍵盤とタッチで弾いてみたい。
Omnisphere 3は音源の不足を埋める製品ではなく、演奏や制作の発想を変える楽器になり得るのか。現在、私が気になっているのはそこだ。
- Omnisphere 3は今の自分に必要なのか
- 一番気になるのはKeyscapeとの統合
- RAINSでは、ピアノやエレピに薄くPadを重ねている
- Keyscape、JP-8000、そしてD-50―気づけばEric Persingの音が好きだった
- 機能は代替できても、Sound Designerの美意識は代替できない
- Omnisphere 3で何が新しくなったのか
- Omnisphereのシンセは、バンドに溶け込めるのか
- Omnisphere 3は重い?M4 Proでも検証したい
- KompleteやDivaがあっても、役割は重ならないのか
- Omnisphere 3が必要な人、いらない人
- 欲しいのは4万を超える音色ではない
Omnisphere 3は今の自分に必要なのか
新しいソフト音源を検討するとき、一般的には「手持ちにない機能や音色があるか」を比較する。
その基準だけなら、私にとってOmnisphere 3の優先順位は高くない。
KompleteにはKontaktを中心とした多数のサンプル音源と複数のシンセサイザーがある。Synth Anthology 5には歴代ハードウェアシンセ由来の膨大な音色があり、Divaではアナログシンセを一台の楽器として深く弾ける。ピアノやエレクトリックピアノにはKeyscapeがある。
Wavetable、Granular、FM、Ring Modulationといった合成方式も、個別に見ればOmnisphereだけのものではない。
では、機能が重複していても、新しい音源を追加する意味はどこにあるのだろう。
一つの答えは、音源を「できることの一覧」ではなく、「誰が、どのような美意識で楽器へ仕立てたか」で選ぶことにあるのかもしれない。
一番気になるのはKeyscapeとの統合
Omnisphereに惹かれている最大の理由は、Keyscapeとの統合だ。
Keyscapeは、Omnisphere内へSatellite Instrumentとして統合できる。OmnisphereのBrowserからKeyscapeのSoundsourceやPatchへアクセスし、Omnisphere側のLayer、Live Mode、Stack Mode、Multitimbral機能、Modulation、FX、Synthesisを利用できる。Keyscape公式ページでも、両製品を所有することでKeyscapeの音をOmnisphere内でさらに加工し、ほかのSoundsourceと組み合わせられると説明されている。
なお、このSatellite Integration自体はOmnisphere 3で初めて加わった新機能ではない。以前のバージョンから存在する。しかし、Omnisphereを所有していない私にとっては、3を導入する現在の理由として重要だ。
1,523のKeyscape Creative Patch
両製品の所有者は、専用の「Keyscape Creative Library」を利用できる。
公式のPatch Listによると、収録数は1,523 Patch。Eric Persingがプロデュースし、SpectrasonicsのSound Development Teamが制作したライブラリである。Keyscapeの詳細な鍵盤SoundsourceをOmnisphereのSynthesis機能で変形し、両製品を組み合わせる力を示すものとして提供されている。
これは、完成されたピアノへ別のPad音源を重ねるだけの話ではない。
Keyscapeのアコースティックピアノ、Rhodes、Wurlitzer、Clavinet、CP-70、希少な鍵盤楽器などを、OmnisphereのLayer、Filter、Granular、Wavetable、Modulation、FXによって、現実と非現実の中間にある楽器へ作り替えられる。
Keyscapeの弾き心地を出発点に、まだ知らない鍵盤楽器を弾く。これが私にとって、Omnisphereを追加する最も具体的な意味になりそうだ。
RAINSでは、ピアノやエレピに薄くPadを重ねている
私が参加するバンドRAINSのライブでは、アコースティックピアノやエレクトリックピアノに、薄くPadをLayerすることが多い。
ここでのPadは、独立したシンセパートとして目立たせるためのものではない。
- ピアノやエレピの余韻を少し延ばす
- コードの隙間を埋める
- 音像をわずかに広げる
- バンド全体へ鍵盤をなじませる
- 消すと物足りない程度の密度と空気を加える
こうした使い方をすでにしているからこそ、KeyscapeとOmnisphereが一つの環境で統合されることに興味がある。
通常のKeyscapeに手持ちのPadを重ねる場合と、Keyscape Creativeとして一つのPatchに設計された音では、演奏したときのまとまりや反応に違いがあるのか。Keyscapeのアタックを残したまま、余韻だけを別の音響へ変えられるのか。ベロシティやMod Wheelに対して、Layer全体が一つの楽器として反応するのか。
これは実際に弾いて確認したい。
もちろん、Padだけに限定して使うつもりはない。Bell、Pluck、Synth Bass、Lead、Texture、Intro、Interlude、Transitionなど、R&B/SoulやCity Pop/AORを軸にしたバンドでどのような居場所を作れるかも気になっている。
Keyscape、JP-8000、そしてD-50―気づけばEric Persingの音が好きだった
Keyscape Creativeへの期待を考えているうちに、自分がEric Persingのサウンドデザインを以前から好きだったことに気がついた。
Eric PersingはSpectrasonicsの創業者兼Creative Directorである。1984年にRolandの製品デモンストレーターとして活動を始め、その後Roland JapanのR&Dに参加。Chief Sound Designer/コンサルタントとして、D-50、JD-800/990、JV/XP/XVシリーズ、Sound Canvas、JP-8000/8080、Fantom、V-Synthなど、多数の製品でSound Design、Sampling、製品開発へ関わった。SpectrasonicsによるRoland時代の経歴には、D-50のFantasia、Soundtrack、Digital Native Dance、JD-800のFactory Sounds、Alpha JunoのHooverなども彼の仕事として挙げられている。
私はD-50の音が好きだ。そして現在もJP-8000を所有し、Keyscapeを愛用している。
Omnisphereを調べて初めてEric Persingを知ったわけでもない。小中学生の頃に読んでいたDTMマガジンの紙面や付録を通じて、その名前や仕事には以前から触れていた記憶がある。
こうして並べてみると、Omnisphere 3を気にしているのは偶然ではないのかもしれない。自分が長年惹かれてきた音の背後に、Eric Persingという共通点があった。
弾くことと、音を作ること
2010年に掲載されたEric Persingへのインタビューには、彼がSynthesizer Playerをどのように捉えていたかが分かる言葉がある。
“One was that you play, the other was that you create your own sounds.”
シンセサイザーには、演奏することと、自分の音を作ることの二つの側面がある。その両方を愛してきた、という趣旨だ。
この考え方は、鍵盤奏者としてよく理解できる。
音色は、選んだ時点で完成するものではない。どの音域で、どのようなVoicingを使い、どの強さで弾くか。Mod WheelやPedalをいつ動かし、バンドの中でどこまで前へ出すか。Sound Designerが作ったPatchへ演奏者が入ることで、初めて音楽になる。
Eric PersingのSound Designには、一音弾いただけで情景が立ち上がり、そのままコードやメロディを続けたくなる魅力を感じる。現実の音を残しながら、少しだけ現実の外側へ連れていく。その美意識の最新形を弾いてみたい。
OmnisphereはD-50の再現音源ではない
もちろん、OmnisphereはD-50やJP-8000の再現音源ではない。
ここで期待しているのは、特定のFactory Patchを再現することではなく、Sound SourceとSynthesisを組み合わせ、音から演奏や曲を想像させる感覚だ。
D-50のLA Synthesisも、短いPCM素材とSynthesisを組み合わせることで、当時としては新しい音響を生み出した。Omnisphereの技術や規模はまったく異なるが、現実の音を完成品として再生するのではなく、新しい楽器を作る素材として扱う点には連続性を感じる。
D-50の音そのものではなく、D-50のPatchを初めて弾いたときのように、音から曲が始まる体験がOmnisphereにもあるのか。それを確かめたい。
機能は代替できても、Sound Designerの美意識は代替できない
映画を監督で選び、アルバムをProducerで聴くことは珍しくない。それなら、ソフト音源をSound Designerで選ぶことがあってもよいはずだ。
GranularやWavetableといった機能は、ほかの製品でも利用できる。似た構成のPatchを自分で作ることも、理論上はできるかもしれない。
しかし、どの素材を選び、何と重ね、どのパラメーターを演奏へ開放し、どこまで作り込んで余白を残すか。そうした美意識は、機能表では代替できない。
Omnisphere 3はソフト音源として決して安くない。公式直販価格は499ドルである。ある意味では、Eric PersingとSpectrasonicsが長年積み重ねてきた素材、選音、音色設計へ対価を払うブランド品とも考えられる。
Spectrasonicsは自社の哲学を、“powerfully simple”で、真にinspiringかつuniqueな製品を作ることと表現している。
ただし、作者への信頼だけで499ドルを払うべきだとは思わない。
Eric Persingの音が好きなのは、Omnisphereを試したい理由であって、買うべきだと結論づける理由ではない。Keyscapeとの統合が実際の制作やライブに役立つか。既存音源との重複を超える価値があるか。そこは分けて判断する必要がある。
Omnisphere 3で何が新しくなったのか
Omnisphere 3の公式概要によると、3では18の新しいFactory Libraryが加わり、従来のPatchも新機能やEffectsを使って再調整された。新しいLossless Optimizationにより、ライブラリは拡張されながら、必要なストレージ容量はOmnisphere 2から増えていないという。
ここで数字を整理しておきたい。公式ライブラリページの表記は、Total Soundsが41,405、新しいPatch Librariesが26,421 Patches、Legacy Patch Librariesが9,242 Patchesである。「41,405プリセット」と単純に言い換えるのではなく、Patch、Soundsource、Multiなどを含む総サウンド数として理解した方が正確だ。
巨大さを使える状態にする機能
3で興味深いのは、音色数の増加だけではない。
Adaptive Global Controlsでは、Tone、Ambience、Filter、Envelope、Vibrato、Unisonという共通項目から、読み込んだPatchを素早く調整できる。Patch Mutationsでは、既存PatchのWavetableやSoundsourceなどを変化させ、SubtleからExtremeまで別の案を生成できる。
Redesigned Browser、Sub-Category、Keyword/Mood、Sound Match、Sound Lock、Hideといった機能も、大量の音色を探索するためのものだ。
4万を超える選択肢は、インスピレーションにもなれば、選択疲れの原因にもなる。気に入った音を見つけ、現在の曲へ素早く寄せ、そこから近縁の別案を作れるなら、巨大さは初めて制作上の価値になる。
Sound SourceとSynthesisの境界
Omnisphereは、サンプル音源とシンセサイザーを別々に並べるのではなく、どちらも同じ音作りの素材として扱う。
1 Patchは4 Layer構成で、DSP SynthまたはSample-based Soundsourceを利用できる。Sample-based SoundsourceにもGranular、Filter、Timbre Shift、Waveshaping、Modulation、FXなどを適用できる。ユーザー自身のWAV/AIFFも取り込めるが、複数VelocityやKeymap、Round Robinを構築する一般的なMulti-samplerではない。1 Soundsourceにつき一つのAudio Fileを読み込み、合成素材として変形する機能である。
Quadzoneでは4 Layerを鍵域、Velocity、MIDI Controlなどで配置・変化させられる。Orbでは複数のParameterを連続的に動かし、その動きを記録したりDAWからAutomationしたりできる。Standalone版のFlow Captureは、演奏したAudio、MIDI、使用音色情報を記録し、偶然生まれた演奏を回収する。
これらはすべて、「音を選ぶ」だけでなく「音を動かしながら弾き、曲の種を残す」方向の機能として読める。
Omnisphereのシンセは、バンドに溶け込めるのか
私にとって良いシンセ音とは、単体で豪華に聞こえる音とは限らない。
バンドで使うなら、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、Saxなどと同時に鳴ったときの居場所が必要だ。シンセだけが異物のように浮かず、ほかの楽器を覆わず、それでいて音量を下げても存在の核が消えないことが重要になる。
「溶け込む」と「埋もれる」は違う。
良い意味で溶け込む音は、単独では過度に主張しなくても、消すとアレンジが物足りなくなる。Stereoの広がりや長いReverbだけに頼らず、中域やAttackに必要な芯がある。演奏の強弱にも自然についてくる。
OmnisphereのPatchをライブPAの音量で鳴らしたとき、その説得力は残るだろうか。Stereoでは巨大でも、Monoに近い環境で芯が消えないか。内蔵ReverbやLimiterによる派手さではなく、SoundsourceとPatch自体にバンドで機能する強さがあるか。
特にR&B/Soulを軸にした音楽では、Vocalを邪魔せずに空間を作るPad、Texture、Bell、Pluckが役立つ。派手なEDM Soundでも、単なるVintage回帰でもない、生楽器と現代的な音響の中間を作れれば、RAINSだけでなく制作でも使いやすいはずだ。
ライブでは、制作時ほど細かいEQやAutomationで救済できない。少ない処理でバンドに収まるシンセは、制作でもアレンジを成立させやすいのではないか。これも、実際に確認したい仮説である。
Omnisphere 3は重い?M4 Proでも検証したい
Omnisphereについて調べると、CPU負荷や読み込みの重さを指摘する声も見つかる。
しかし、「重い」という言葉には複数の意味がある。
- Patchの読み込みが遅い
- 大量のSampleを使うPatchでDisk Streamingが追いつかない
- 発音数やSustainによってCPU使用率が跳ねる
- 4 Layerや複雑なModulationで負荷が増える
- 1 Instanceは動いても、Multiや複数Instanceでは厳しい
- 低いBuffer SizeでAudio Dropoutが起きる
公式の動作要件は、2.4GHz以上のProcessor、RAM 8GB以上、16GB以上推奨、64GBの空き容量。公式FAQも、一部の新しいPatchは旧Patchより多くのResourceを使用する一方、すべてのPatchが重くなったわけではないとしている。またPerformance Optimizationでは、多数のSampleを含むSoundsourceでCPU OverloadやStreaming上の問題が起こり得ることが案内されている。
Omnisphere 2時代やIntel Mac時代に書かれた評価を、現在の環境へそのまま当てはめることはできない。Apple Siliconが成熟し、M4 Proが登場した現在も、本当にライブで使いにくいほど重いのだろうか。
私の環境には、MacBook Pro M4 Pro/24GBと、Mac mini 2018 Intel Core i7/64GBがある。入手できた場合は48kHzでBuffer Sizeを16/32/64/128 Samplesと変え、次の条件を比較したい。
- 通常のSynth Patch
- Sample-based Patch
- 4 Layerを使った複雑なPatch
- Keyscape単体
- Keyscape Creative
- Keyscape+薄いOmnisphere Pad
- Live Mode/Stack Mode
- Sustainを使った両手のChord演奏
- 複数InstanceまたはMulti
CPU使用率だけでなく、Patch Load、Memory、Audio Dropout、発音遅延、Patch切り替え、長時間演奏時の安定性まで見たい。
特に知りたいのは、M4 Proで「音が出るか」ではない。鍵盤奏者が違和感なく弾ける低Latencyを維持したまま、Keyscape Creativeをライブで使えるかどうかだ。
KompleteやDivaがあっても、役割は重ならないのか
Omnisphereを既存環境と単純に勝敗で比較しても、購入判断はしにくい。それぞれの役割を整理すると、次のようになる。
| 製品・環境 | 主な役割 | Omnisphereと重なる部分 | Omnisphereに期待する違い |
|---|---|---|---|
| Komplete 14 Ultimate | 多数の専用音源、Sampler、Synth、FXを束ねた総合環境 | 音色の広さ、Sample、Wavetable、Granular | 異なる製品を横断するのではなく、一つの楽器内で素材を組み合わせる |
| IK Multimedia MAX系 | 生楽器、Synth、Mix処理を広く揃える制作環境 | Bread-and-butter Sounds、Analog系、FX | 楽器再現より、異質な素材から新しいPatchを作ること |
| Synth Anthology 5 | Hardware Synth由来の音を俯瞰する音源 | Vintage/Digital/Analog系Patch | Hardware Soundの収集ではなく、Soundsourceを再合成して動かすこと |
| HALion Sonic | Workstation的な汎用音源 | 幅広い音色、Layer、即応性 | Texture、Patch変形、偶然性を制作へ取り込むこと |
| Diva | Analog Synthを一台の楽器として深く弾く | Filter、Drift、Unison、Analog系Patch | Sampleと複数のSynthesis方式を統合した音響素材の広さ |
| Keyscape | 鍵盤楽器の詳細なSampleと演奏表現 | STEAM Engine、FX、Layer | 所有済みKeyscapeをOmnisphere内で別の楽器へ拡張すること |
Kompleteが複数の専門店を集めた環境で、Divaが一台の優れたAnalog Synthだとすれば、Omnisphereは異なる音響素材を同じEngineで混ぜ、変形し、演奏する工房に近いのかもしれない。
ただし、それが実際のWorkflowで便利かどうかは別だ。多機能さが制作を速くするとは限らない。目的の音へたどり着くまでに時間がかかり、既存音源と同じ役割しか果たさないなら、追加する意味は薄い。
Omnisphere 3が必要な人、いらない人
現時点の情報から考えると、Omnisphere 3に強く関心を持ちそうなのは次のような人だ。
- KeyscapeまたはTrilianを所有し、Omnisphere内で拡張したい
- Presetを完成品ではなく、演奏や音作りの出発点として使う
- Pad、Texture、Atmosphereを頻繁に使う
- 生楽器とSynthの中間にある音が欲しい
- Sound SourceをLayer、Granular、Modulationなどで変形したい
- Studioだけでなく、鍵盤楽器としてライブでも使いたい
- SpectrasonicsのSound Designに価値を感じる
一方、次のような場合は急いで追加しなくてもよさそうだ。
- 欲しい音色と用途が明確で、既存の専門音源で満たせている
- Analog Synthだけが目的である
- 生楽器の正確な再現だけを求めている
- 巨大Libraryから音を探すこと自体が負担になる
- KeyscapeとのLayerも手持ちのPadで十分に作れている
- 低価格で特定のSynthesis方式だけを追加したい
- Spectrasonicsの音色傾向が自分の音楽と合わない
Omnisphereは万能だから全員に必要なのではない。Sound Designの方向性とWorkflowが合う人にとって、代替しにくい楽器になり得るのだと思う。
欲しいのは4万を超える音色ではない
この記事を書き始めた時点では、「音源を大量に持っているのに、なぜOmnisphere 3が気になるのか」を考えていた。
調べていくと、その理由は少しずつ明確になった。
私はKeyscapeを愛用し、ライブではアコピやエレピへ薄くPadを重ねている。D-50の音が好きで、JP-8000を所有している。そして、それらの背後にあるEric PersingのSound Designへ、長い間惹かれてきた。
機能はほかの製品で代替できるかもしれない。しかし、Sound Designerが選んだ素材、Layer、動き、演奏の余白まで同じものにはならない。
だからOmnisphere 3を試してみたい。
ただし、期待と実用性は別である。Keyscape Creativeが本当に弾きたくなる楽器なのか。シンセがバンドから浮かずに溶け込むのか。ライブPAの大音量でも芯が残るのか。M4 Proで低Latencyを維持できるのか。そして、KompleteやDivaがある環境に499ドルを追加する価値があるのか。
そこまで確認して、初めて自分に必要な楽器か判断できる。
欲しいのは4万を超える音色ではない。お気に入りのKeyscapeから、まだ知らない演奏と曲を引き出せるかもしれない。その可能性を、自分の手で確かめてみたい。
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