※本記事で使用したu-he Divaは、レビュー用のライセンスとして無償で提供いただいたものです。内容は実際に使用した筆者の所感に基づいています。

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- u-he Divaとは
- u-he Divaを実際に使ってみた第一印象
- u-he Divaの音質|アナログ系のサチュレーションを感じる密度
- Voice Driftとは?実際に弾いて感じた効果
- u-he DivaはR&B/Hip-Hopと相性が良い
- Pro Tools 48kHz/32 samplesで動作を確認
- u-he DivaのMulticoreはONが常に正解とは限らない
- 発音中のパッチ切り替えで一度だけ無音になった
- u-he Divaは「全部に使う」より曲の要所で使いたい
- 現時点で感じたu-he Divaの良いところ
- プリセットが物足りない?——Divaに求める役割を間違えていた
- u-he Divaを長期的に使いながら検証していきます
u-he Divaとは
u-he Divaは、ドイツのソフトウェアメーカーu-heが開発した、アナログシンセサイザーのサウンドと挙動を再現するソフトシンセです。
製品名のDivaは「Dinosaur Impersonating Virtual Analogue synthesizer」の略です。往年のモノフォニック/ポリフォニックシンセをもとにモデリングされたオシレーター、フィルター、エンベロープを備えています。
Divaは、特定の一台だけをそのまま再現するタイプの音源ではありません。異なるクラシックシンセをベースにしたモジュールを組み合わせ、自分だけのハイブリッドシンセを構成できる点が大きな特徴です。
公式情報によると、クラシックハードウェアをベースにした5種類のオシレーターモデルと5種類のフィルターモデル、3種類のエンベロープモデルを搭載しています。[u-he:Diva公式製品ページ]
Divaの音を支える技術のひとつが、リアルタイムの回路シミュレーションとZero Delay Feedback(ZDF)フィルターです。u-heは、これによってアナログ回路をモデリングする際に生じる遅延を抑え、より自然なレゾナンスの挙動を再現していると説明しています。[u-he:Diva公式製品ページ]
その一方で、精密な回路シミュレーションには相応の処理能力が必要です。公式ユーザーガイドでも、本格的なアナログサウンドと引き換えにCPU負荷が比較的高くなることが説明されています。[u-he:Diva User Guide(PDF)]
公式サイトでは1,200以上のファクトリープリセットが収録されていると案内されています。
本記事では、公式スペックや元になった実機の詳細な比較よりも、Divaを実際に演奏し、楽曲制作やライブで使う立場から検証します。
特に注目したのは、以下の点です。
- 鍵盤で演奏したときの感触
- Bass、Pad、Leadの音質と使いやすさ
- Voice Driftによる音の変化
- R&B/Hip-Hopトラックとの相性
- Pro Toolsの低バッファー環境での動作
- Apple Silicon/Intel環境におけるMulticoreの挙動
スペック上のアナログ再現度だけでなく、「実際の曲で使いたくなる音なのか」「プレイヤーが弾いて気持ちいいのか」という視点から見ていきます。
u-he Divaを実際に使ってみた第一印象
u-he Divaを使い始めて、まず感じたのは、存在感があるのに尖りすぎず、実際のトラックで使いやすそうな音だということでした。
太さはありながらも重苦しくなく、どこか透明感があります。耳に強く訴えかける派手さより、何度でも弾きたくなる心地よさがあり、個人的にかなり好みの音です。
その感触は、かつてのYAMAHA MOTIFシリーズに感じていた、耳に嫌味や痛さの少ない音にも通じます。ただし、綺麗に整ったRomplerやPCM音源のような質感とは異なり、u-he Divaには良い意味で無視できない存在感があります。
整いすぎた音源では、音像が前面へ平面的に張り付いたり、弾いていて少し味気なく感じたりすることがあります。Divaは輪郭がありながらも、音の内部に微細な動きがあり、完全には静止していません。
弾いた音に対して、少し表情のある返事が返ってくる。そんな、シンセとわずかに対話できるような感覚があります。
特にPadを低域から中高域まで広く鳴らしたとき、情報量が多いにもかかわらず耳に痛くなりにくく、次のコードを自然に弾きたくなりました。ソフトシンセでありながら、「音源」というより「楽器」に近い印象です。
現時点での第一印象をまとめるなら、u-he Divaは太さ、透明感、存在感、使いやすさのバランスが良い、弾いていて気持ちいいシンセです。
u-he Divaの音質|アナログ系のサチュレーションを感じる密度
u-he Divaの音に存在感を感じる理由のひとつは、アナログ系のサチュレーションを薄く通したような密度にあると思います。
単純に音量が大きい、あるいは低域や高域が強調されているというより、倍音を含みながら音の芯が自然にまとまっている印象です。外部のアナログ系プラグインで質感を加える前から、音源自体に適度な厚みと色があります。
アナログシンセを再現したソフトシンセの中には、Bass音色で低域が必要以上に膨らんだり、明るい音色で高域の倍音が耳に刺さったりするものもあります。そうした誇張も音作りによっては魅力ですが、実際のトラックへ入れる際には調整が必要になることがあります。
今回Divaを試した範囲では、太いBassでもローが無制限に広がるような感覚は少なく、倍音の多いPadやBrassでも高域が過度に痛く感じられることはありませんでした。
もちろん、プリセットやフィルター、Drive、音域、演奏内容によって結果は変わります。それでも全体として、Divaには「単体で派手に聞かせること」だけでなく、ドラム、ピアノ、ボーカルなどと組み合わせることまで意識されているようなバランスを感じます。
言い換えるなら、u-he Divaの音にはどこかトラックメーカー目線の調整を感じます。
RomplerやPCM音源の扱いやすさに近い部分を持ちながら、音が均一になりすぎず、アナログシンセらしい揺らぎや密度も残っている。この中間的なバランスが、Divaの音質に感じる大きな魅力です。
Voice Driftとは?実際に弾いて感じた効果
u-he Divaを触り始めて、特に積極的に使いたいと思ったのが「Voice Drift」です。

Voice Driftを上げると、音にごくわずかな揺らぎが加わります。一般的なビブラートのように周期的な動きがはっきり聞こえるというより、音が完全に静止せず、自然に表情を変えていく感覚です。
特にコードを長く伸ばすと、和音の内部がゆっくり動き、音色に楽器らしい生命感が生まれます。
Voice Driftを上げると前に出ながら広がる
実際に弾き比べると、Voice Driftを上げた方が音がわずかに前へ出てくるように感じました。
同時に、高域が少し持ち上がったような明るさが加わり、音像も広がります。単純に音量が上がるというより、倍音の動きやボイス間の揺らぎによって、音の存在感が増しているような印象です。
特に違いを感じやすかったのは、Juno系のBrass/Padサウンドでした。Voice Driftを上げると、コードに明るさと動きが加わり、音が少し前へ出ながら横方向にも広がっていきます。
ただし、この高域の変化はあくまで筆者の聴感上の印象です。Voice Driftが直接イコライザーのように高域を増やしている、と断定するものではありません。
Detuneと組み合わせて音色のニュアンスを微調整できる
Voice Driftは、Detuneと組み合わせることで音色のニュアンスを細かく調整しやすくなります。
Detuneではボイス間の音程差や厚みを比較的分かりやすく作り、Voice Driftではそこへ時間的な揺らぎや表情を加える。そのように役割を分けて考えると、狙った質感へ近づけやすく感じました。
例えば、Detuneだけを深くすると音程の広がりが目立ちすぎる場合でも、Detuneを少し控えめにしてVoice Driftを足せば、音程感を大きく崩さずに動きや存在感を加えられます。
反対に、しっかり広がったPadを作りたい場合は、Detuneで基本的な厚みを作り、Voice Driftで高域の表情や微細な動きを調整する使い方ができます。
どちらか一方を大きく動かして完成させるというより、両者を行き来しながら好みのポイントを探すのが面白いパラメーターです。
Voice Driftは「アナログ感の量」だけを決めるものではない
Voice Driftは、単純に「上げるほどアナログらしくなる」ためのツマミではなく、音の存在感や広がり、演奏時の感触を微調整するパラメーターとして使えそうです。
現時点では、次のような使い方を考えています。
- 音にもう少し存在感が欲しいときにDriftを加える
- 高域の表情や広がりをわずかに足す
- Detuneで基本的な厚みを作り、Driftで動きを整える
- PadやBrassのコードに楽器らしい揺らぎを加える
- LeadやBassへ薄く加え、静的すぎる印象を和らげる
個人的にはVoice Driftを大きくした状態が好みでした。ただし、常に最大値が最適とは限りません。音色やアレンジ上の役割に合わせ、Detuneとのバランスを調整する方が実用的だと感じます。
完成したミックスでは、Voice Drift単体の違いを明確に聴き分けるのが難しい場合もあるでしょう。それでも、演奏者が気持ちよく弾けることで、ボイシングやフレーズ、最終的なテイクが変わる可能性があります。
Voice Driftは派手な変化を作る機能というより、u-he Divaを「弾きたくなる楽器」へ近づけるための、繊細ながら重要なパラメーターです。
u-he DivaはR&B/Hip-Hopと相性が良い
数時間触った段階ですが、DivaはR&BやHip-Hop、Neo Soul系のトラックとかなり相性が良いと感じています。
ただし、初期段階で「すべてのR&B/Hip-Hop制作者にとってマストバイ」と断定するつもりはありません。まずは実際に曲へ入れ、ボーカルを重ねた状態まで確認する必要があります。
それでも、R&B/Hip-Hopで重要になるいくつかの役割に、Divaの特徴がよく合っています。
Synth Bass|曲の土台を任せたくなる音
DivaのBassには、低域の芯だけでなく、サチュレーションを感じる密度があります。
R&BやHip-Hopではシンセを何十トラックも重ねるより、Bass一本が曲全体の温度や重心を決めることがあります。そのような「曲の土台を担当する音」にDivaを使いたいと思いました。
長めの音価でわずかな動きを加えたり、フィルターをリアルタイムで操作したりする使い方も試してみたいところです。
Pad/Poly|テンションコードを弾くだけで気持ちいい
Maj9、m9、11thなどを含むコードを長く鳴らすと、Voice Driftによる和音内部の揺らぎがよく分かります。
広い帯域を埋めても耳障りになりにくく、ピアノやエレピの後ろへ薄く重ねる用途にも合いそうです。アタックの明確なピアノやエレピを芯にして、その周囲をDivaのPadが揺れるようなレイヤーは、R&BやNeo Soulで特に試したい組み合わせです。
Lead|ボーカルに応答するフレーズに使いたい
DivaのLeadは、EDMで主役として鳴らすだけでなく、R&Bでボーカルの隙間へ短い返しを入れたり、歌が終わった後に同じメロディーを引き継いだりする使い方が合いそうです。
綺麗に整ったデジタルシンセとは違う、少し荒さや揺らぎを含んだLeadが欲しい場面で選びたくなります。
EWIなどのウインドコントローラーを持っている方なら、Divaを音源にしても面白いでしょう。
Ear Candy|短い音でもキャラクターを出せる
フィルターやピッチを操作しながら、「ピュン」「ブワッ」といった短いフレーズを録音する用途にも向いていそうです。
わずか1〜2小節しか登場しない音ほど、一発でキャラクターが伝わることが重要です。Divaで操作しながら録音し、良い部分をオーディオ化して使う方法も実践的だと感じました。
Pro Tools 48kHz/32 samplesで動作を確認
今回、Apple Silicon搭載MacのPro Tools上で、48kHz/32 samplesに設定してDivaを演奏しました。
この条件は低レイテンシーを重視した、比較的負荷の厳しい設定です。それでも、今回試した範囲ではクリックやノイズを感じることなく、リアルタイムで演奏できました。
Divaについては以前から「CPU負荷が高い」という評判を目にしていたため、使い始める前は身構えていました。しかし、実際に弾いてみると、少なくとも手元の環境では、それほど重いという印象はありません。
普段からKeyscapeのような比較的規模の大きい音源を頻繁に使っているため、私の負荷に対する感覚がすでに麻痺している可能性はあります(笑)。
それを差し引いても、Apple Silicon世代のMacでは、かつて語られていたDivaの重さを必要以上に恐れなくてもよいのではないか、というのが現時点での感想です。
ただし、これはベンチマークテストの結果ではありません。
CPU負荷は、Macのモデル、プリセット、Accuracy設定、同時発音数、Releaseの長さ、Divaのインスタンス数、Pro Toolsセッション全体の構成によって変わります。そのため、「Divaは軽い」「Apple Siliconなら必ず問題なく動く」と一般化することはできません。
今回確認できたのは、あくまで「手元のApple Silicon環境では、48kHz/32 samplesでも実際に演奏でき、筆者の普段の制作基準では特別に重いと感じなかった」という点です。
u-he DivaのMulticoreはONが常に正解とは限らない
Divaには、発音するボイスを複数のCPUコアへ分散させる「Multicore」機能があります。同時発音数の多い音色などで、一つのCPUコアへ負荷が集中することを避けるための設定です。
名前だけを見ると、ONにすれば常に処理が軽くなりそうです。しかし、u-he公式ユーザーガイドでは、CPUやDAWによってはMulticoreを有効にすることで、反対にパフォーマンスが低下する場合があると説明されています。
公式ユーザーガイドの要点は次のとおりです。
- Multicoreは、Divaのボイスを利用可能なCPUコアへ分散する
- Intel Core i5/i7などでは効果的に動作する
- 古いCPUだけでなく、Apple Siliconのような新しいCPUでも、ONにすると性能が低下する場合がある
- DAW側にもマルチコア処理がある場合、DivaとDAWの両方で有効にすると、かえってパフォーマンスが悪化する可能性がある
- その場合は、どちらか一方のマルチコア処理をOFFにして試す
u-he自身も、すべての環境に当てはまる設定はまだ見つかっていないとしています。[u-he:Diva User Guide「Multicore」(PDF)]
また、過去の公式リリースノートにも、Apple ARM向けのマルチコア処理は最適化されていないという注記があります。[u-he:Diva 1.4.5 Release Notes]
Apple SiliconではOFFの方が安定した
今回、Apple Silicon搭載MacのPro Tools上でMulticoreをONにしたところ、軽くなるどころか、CPU負荷が増えたように見える場面がありました。
MulticoreをOFFに戻すと、48kHz/32 samplesという今回の演奏条件では、比較的安定して動作しました。これはDiva内部の処理分散と、Pro Tools側の処理スケジューリングが重なった結果かもしれません。
公式ユーザーガイドにも同様の可能性が記載されているため、今回の挙動は必ずしも異常ではなさそうです。
Intel環境ではONが有効な可能性もある
一方、Intel MacではMulticoreをONにした方が安定する可能性があります。公式ユーザーガイドでも、Intel Core i5/i7などでは効果的に動作すると説明されています。
ただし、現時点ではApple Silicon環境とIntel環境で、プリセット、MIDIデータ、バッファーサイズなどを完全に揃えた比較は行っていません。そのため、「IntelではON、Apple SiliconではOFFが正解」とまでは断定できません。
現在の所感は、次の範囲にとどめます。
- Apple Silicon+Pro Toolsでは、今回の条件でMulticore OFFの方が安定した
- Intel環境ではMulticore ONが有効な可能性がある
- CPU、DAW、プリセット、同時発音数、バッファーサイズによって結果は変わる
- Multicoreは常時ONにせず、自分の環境でON/OFFを比較した方がよい
Multicoreは単純な「高速化スイッチ」ではなく、使用環境に合わせて選ぶ設定と考えるのがよさそうです。CPUメーターの平均値だけでなく、クリック、ノイズ、ドロップアウトが発生しないかを確認し、より安定する方を選ぶことをおすすめします。
発音中のパッチ切り替えで一度だけ無音になった
初回の試用中、音を鳴らしたままパッチを切り替えた際に、Divaが一度だけ無音になる事象がありました。
その際はDivaのインスタンスを読み込み直すことで復帰しています。
ただし、現時点では一度発生しただけで、再現条件を確認できていません。Diva本体の問題なのか、使用した特定のパッチ、Pro Tools/AAXとの組み合わせ、48kHz/32 samplesという設定、あるいは別の要因によるものかは不明です。
そのため、本記事では不具合やバグとは断定しません。
今後、同じパッチでの切り替え、MulticoreのON/OFF、バッファーサイズの変更などを試し、再現性が確認できた場合は情報を追記します。ライブで使うことも想定しているため、パッチ切り替え時の安定性は引き続き確認したいポイントです。
u-he Divaは「全部に使う」より曲の要所で使いたい
現時点では、すべてのシンセトラックをDivaに置き換えたいとは考えていません。
むしろDivaを使いたいのは、曲の人格を決めるような場所です。
- 曲の重心を支えるメインBass
- コードの感情を担当するPad
- ボーカルに応答するLead
- 一瞬で印象を残すEar Candy
数多くのトラックへ薄く使うより、「ここを印象に残したい」という数トラックへ配置する方が、Divaの音とCPU負荷の両面を考えても合理的に思えます。
現時点で感じたu-he Divaの良いところ
初期レビューとして、特に魅力を感じているのは次の点です。
- 音源というより楽器に近い演奏感がある
- 低域から中高域まで、密度のある音を作りやすい
- Voice Driftによって音像の輪郭や広がりを調整できる
- Bass、Pad、Leadのそれぞれに主役を任せられる
- R&B、Hip-Hop、Neo Soulと相性が良さそう
- Apple Silicon+Pro Toolsの48kHz/32 samplesでも、今回の条件ではリアルタイム演奏できた
一方で、CPU負荷やMulticoreの効果、発音中のパッチ切り替えについては、さらに検証が必要です。
NKS対応|Maschineから快適に音色を探せる
DivaがNKSに対応している点も、個人的には大きなメリットです。
私は楽曲のアイデアを素早く形にするスケッチ環境として、Native InstrumentsのMaschineをよく使っています。DivaはNKSに対応しているため、Maschineのブラウザーから音色を探し、プリセットのプレビューを聴きながら選択できます。
シンセの画面を開いてプリセットを一つずつ切り替えなくても、Maschine上で音色の方向性を確認できるのは非常に便利です。カテゴリーやサウンドの特徴から候補を絞り込めるため、音作りより制作効率を優先したい私のワークフローにも合っています。
Diva単体の音質とは別の部分ですが、思いついたアイデアを逃さず、短時間で音色を選んで演奏へ移れることは、実際の制作では重要です。Maschineをスケッチに使う私にとって、NKS対応は非常にありがたい機能です。
※DivaのNKS対応はu-he公式サイトでも案内されています。[u-he:Diva公式製品ページ]
プリセットが物足りない?——Divaに求める役割を間違えていた
使い始めた当初、Divaのプリセットを見ながら「即戦力となる音色が少し物足りないかもしれない」と感じました。
しかし、しばらく触って気づきました。これはDivaの弱点というより、私がDivaだけですべてのシンセ音色を賄おうとしていたことに原因があります。
なぜそんな無茶な期待をしてしまったのか。
たぶん、シンセ音源としてDivaを思った以上に好きになってしまったからです(笑)。
BassもPadもLeadも気持ちよく鳴るので、「もうシンセ音色は全部Divaでいいのでは?」と思い始めていました。しかし、さすがにそれはDivaへ仕事を任せすぎでした。
そもそもDivaは、往年のアナログシンセをもとにしたオシレーター、フィルター、エンベロープを組み合わせ、そのサウンドや挙動を再現することに強みを持つソフトシンセです。
透明感の強いデジタルベル、ウェーブテーブル系の鋭いサウンド、複雑に変化するテクスチャー、現代的なデジタルPluckまでDivaに求めて、「欲しいプリセットがない」と評価するのは少し違います。
要するに、Divaが気に入りすぎた結果、専門外の仕事まで押しつけようとしていました(笑)。
Divaには、Divaが得意とするアナログ系のBass、Pad、Brass、Lead、Poly Synthを任せる。一方、明確にデジタルらしい音が必要な場面では、その用途を得意とする別のソフトシンセを使う。このように役割を分ければ、プリセットに対する不満はほとんどなくなりました。
音作りを深くしなくても十分使える
Divaはシンセサイザーの知識があるほど深く使いこなせる音源ですが、必ずしも一から音作りをする必要はありません。
私は音作りそのものよりも制作効率を優先するため、基本的にはプリセットを選び、必要に応じてADSR、Filter、Glide、Voice Driftなどを調整する程度です。それでも、Divaが得意とする音色の範囲では十分に好みの音へ近づけられます。
「どんな種類のシンセ音でもDivaから探す」のではなく、「アナログシンセらしい音が欲しいときに、まずDivaを開く」。これが私にとって正しい使い方のようです。
さらに選択肢が欲しければ外部プリセットもある
Divaが得意とする範囲でも、特定のジャンルに合わせた即戦力プリセットを増やしたい場合は、外部プリセットを追加できます。
Plugin Boutiqueでは、Resonance SoundをはじめとするメーカーからDiva向けのプリセットパックが販売されています。オーディオデモを聴いて、自分の作風に合うものが見つかれば試してみたいと思っています。[Plugin Boutique:Diva用プリセット]
結論として、プリセットが足りなかったのではなく、Divaに専門外の仕事まで任せようとしていました。
Divaは万能シンセとしてすべてを一台で賄うより、アナログシンセの音が必要になったときのファーストチョイスとして使うのが、自分には合っています。
u-he Divaを長期的に使いながら検証していきます
今回の記事は、Divaを使い始めた段階での初期レビューです。
まだ試せていない機能や音色も多く、CPU負荷やMulticoreの挙動についても、短期間の使用だけで結論を出せるものではありません。今後は特定のテストだけで評価するのではなく、普段の制作や演奏へ継続的に取り入れながら、長期的に検証していきたいと思います。
そして率直に言うと、今回u-he Divaをかなり気に入りました。
しばらくは楽曲制作でシンセ音色が必要になったときに、まずDivaを立ち上げる——つまり、シンセ音源のファーストチョイスとして使ってみようと思っています。
すべての場面でDivaが正解とは限りません。それでも、Bass、Pad、Lead、Brass、Ear Candyなどを探す際、最初にDivaで作れないか試してみたい。現時点では、本気でそう思えるほど好印象です。
実際の楽曲制作に取り入れる
今後は検証用に用意した短いフレーズだけでなく、実際の楽曲制作でu-he Divaを使用します。
Bass、Pad、Leadなどを曲の中へ配置し、ドラム、ピアノ、ギター、ボーカルなどと重ねたときに、Divaの音がどのように機能するのかを確認していく予定です。
単体で弾いたときの気持ちよさが、完成したアレンジやミックスでも生きるのか。反対に、帯域が競合したり、EQなどの調整が必要になったりするのか。そのような部分も含めて、実制作の中で分かったことをお伝えしたいと思います。
Divaを使った楽曲やデモが完成したら、使用した音色や設定、ミックス内での役割とあわせて、本記事でも紹介します。
ライブやリハーサルでも検証したい
u-he Divaは自宅での制作だけでなく、今後ライブやリハーサルにも持ち込みたいと考えています。
ヘッドホンやスタジオモニターで適度な音量で聴く場合と、PAやアンプを通して大音量で鳴らす場合では、音の印象が変わる可能性があります。
特に興味があるのは、Divaに感じた次のような特徴が、大音量でも同じように聞こえるのかという点です。
- 太さと透明感のバランス
- 低域の量感と輪郭
- 高域の耳当たり
- Voice Driftによる存在感や広がり
- バンドアンサンブル内での馴染み方
- 低レイテンシー環境での安定性
- 演奏中や曲間のパッチ切り替え
自宅では広帯域で気持ちよく感じたPadが、大音量ではどのように響くのか。Voice Driftの微細な違いが、PAを通した環境でも感じられるのか。
このあたりは筆者自身も非常に興味があります。
単発のレビューで評価して終わりにするのではなく、制作、ミックス、リハーサル、ライブという実際の使用環境の中で使い続け、その都度分かったことを追記していく予定です。

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